こんにちはおじさん少年です。
この記事では
「雪山初心者向け:本格的な雪山“登山”に挑戦する前に雪山“ハイキング”でレベルアップを!必要な装備とオススメの山(塔ノ岳)を紹介」
についてお伝えします。
夏山登山を経験し、山の魅力を感じた方々の中には
「いずれ雪山に行ってみたいなあ」
と考えを巡らせている人もいるかと、、、
でも「雪山」ってちょっと怖いイメージがありますよね?
漫画の「岳」とかで遭難するのはおおかた雪山の吹雪の中
実際に雪山は雪崩等の危険もあって命にかかわるケースもあります。
まあ、気楽に始めるには難易度高めですよね。
しかしその分、夏山では決して得られることのない“凛とした雰囲気”があって、夏山の非日常を超えた「スーパー別世界」がそこにはあります。
ひとたび雪山を訪れるとその魅力に取り憑かれてしまうかも、、、
危険なイメージのある雪山ですが、安全第一で考えていけば不可能なものではありませんし、高齢でも余裕で登っている人も数多いですからいつ始めても遅くはないのです。
まずは、経験値をためましょう。
そうはいっても
「最初に何を始めればいいのか?どんなものが必要なのか?どこの山がいいのか?」
誰しも迷うもの
そこで、オススメなのが
「最初は1000メートルクラスの低山雪山“ハイキング”でプラクティス」
することです。
雪山“登山”ではたくさんの専用装備が必要になりますが、低山雪山“ハイキング”ではこれまで使ってきた装備が“流用可能”です。
ですから
「たくさんのお金をかけずに雪山を楽しく始めることが可能」
となります。
そして雪山“ハイキング”レベルをクリアして、その後は本格的な雪山“登山”にチャレンジしてほしいと思います。
「本格的な雪山“登山”に備えて、比較的安全な雪山“ハイキング”でレベル上げ」がグッド!
1.雪山“登山”と雪山“ハイキング”の違い
一口に雪山にもいろいろあります。
本格的な雪山“登山”のフィールドとは
八ヶ岳・赤岳などを筆頭に森林限界を超える標高の高い山が挙げられます。1500メートル程度でも豪雪地帯の山も含まれますね。
こういった山では稜線上での風が強く(これがすさまじい)雪で見えないため地形は険しいといえます。
場合によって長く岩場を進むこともありスリップが即時「滑落」に結びつくリスクもあります。
ピッケル・12本爪アイゼン・そして雪が深いときにはわかんといった雪山登山専用のギアを駆使して登ります。
着用するアイテムも専用のものを用意する必要があります。
雪山低山“ハイキング”のフィールドとは
丹沢・塔ノ岳、奥多摩・御岳山など森林限界を超えない雪山や降雪直後のみ雪に覆われた低山が挙げられます。
寒さや風は極端に厳しくはない(けど結構寒い)ものの日陰で凍結した斜面の通過など夏山にはない特有の難しさがあります。
軽アイゼン、夏山登山装備にプラスアルファの防寒装備で登ります。
2.雪山“登山”を目指すには雪山“ハイキング”からのレベル上げがおススメ
イメージ通りですが全く登山をしてこなかった人がいきなり雪山に挑戦するのは無謀としか言いようがありません。
まずは無雪季の登山で「登山のノウハウ」を肌で身に付けておく必要があるでしょう。
そして雪山ですが先に述べた通り雪山といってもいろいろな種類があります。
ここではイキナリ雪山“登山”ではなく雪山“ハイキング”からのレベル上げをオススメします。
理由としては
- 雪山“登山”では下手すりゃ死に直結する
- 次に雪山登山の装備専用のものが多く、すぐに揃えるのは難しい
- そしてソロでも対処できようにするには実地訓練で経験していくしかない
からです。
3に関してはガイドを頼めばすぐに即レベルアップも可能かもしれませんが
私は「できればソロで行きたい」と考えていました。
ガイドって、、、
おっさん(自分もだけど)とコミュする気苦労を考えると「情報を集めて自力で達成したい、周りに人がいれば(遭難せずに)ソロでもなんとかなるだろう」と、、、
ソロで行くことを目的としてもやはり低山・雪山“ハイキング”での修行が不可欠かと思います。
3.夏山装備も使える?雪山“ハイキング”装備の整え方
なにはともあれ低山とはいえ雪山に行くならそれ相応の装備を整えなければなりません。
ポイントはレイヤリング(重ね着)です。
レイヤリングを意識した初心者向け「雪山装備」のそろえ方
まずはどんなものが必要になるのか装備品アイテムについてお話しします。
雪山に行くのに一から専用の道具やウェアを揃えていたら10万くらい投資しなければなりません。
現実的に考えると「何回雪山に行くのか」わからないうちにそこまで大枚はたくわけにはいきませんよね。
そこで、
これまで夏山で使っていたウェアにレイヤリングを活用し、足りないものをプラスしていくのがオススメです。
天気の良い日に丹沢・奥多摩程度(都市近郊)の低山で雪山“ハイキング”を楽しむことを想定していきましょう。
行動中は夏の行動着の上にフリースを重ねる程度で充分
行動していると体温が上がるのでめちゃくちゃ着込む必要はありません。
風が吹いて寒いときにはレインウエアを流用します。
ハードシェルの代わりに来てウィンドブロックします。
出典:amazon
防寒補助のアイテムを使う
- “ゲイター(レイン用でOK)”があれば靴に雪の侵入を防ぐだけなく、結構な防寒作用もあるのでゲイターは加えておいた方が良いでしょう。
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- ニットキャップ(耳もガードできるもの)も装備。頭からの放熱は実はかなり多いのです。ウール製のものが望ましいですが、普段使いのもので事足ります。
出典:amazon
- 休憩中に着るダウンジャケット(ダウンは登山中の行動着としてはちょっと不向き)など極暖の防寒グッズを準備
出典:amazon
- ネックウォーマーも必需品。首元は寒気の出入りは激しく、ここを抑えるとかなりの防寒になります。また“顔そのもの”が冷たくなることも多いのでネックウォーマーを鼻まで上げて使って対処します。
出典:amazon
- 手袋・グローブ類はウールやフリース素材のアンダーグローブとナイロンのオーバーグローブの両方があれば便利です。重ねて使うと保温と防風できます。
出典:amazon
こうしておけば立派な雪山“ハイキング”用装備ができあがります。
ただし夏山の用のレインウエア・パンツなどは本格的なものと比べるとそこまで防寒性は高くありません。
このまま雪山を続けて雪山“登山”を目指すのであれば徐々に雪山専用のアイテムに置き換えていくのがベターです。
服装のあれこれ
レイヤリングについて図解します。
レイヤリングとは
ベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウターレイヤーの様に3種類の層に分けて着る物を考えていく
まぁ、いわゆる“重ね着”のことです。
できるだけお金をかけたくない場合はこれまで持っていた装備を流用しましょう。イラストを参照のこと。
順にベースレイヤーから重ね着していきます。
ミドルレイヤーにはフリース類を
風が強いときはアウターレイヤーとしてレインウェアを重ねます。
特に“買い足す”となると小物類の方が多いでしょう。
コンパクトになるダウンジャケットは、休憩時に使います。
ダウンは水分に弱いので行動中に着るのは不向きなのです。休憩時にダウンを着てレインウェアで防風すれば新たなアイテムを買い足す必要もないでしょう。ダウンはユニクロのウルトラライトダウンあたりでも充分な品質です。
手が濡れるとかなりのダメージになってしまいます。スキー用のグローブがあればそれでもありですが、それでもアンダーグローブとしてニット素材のモノは用意しておいた方が良いでしょう。
足元(登山靴+軽アイゼン)
登山靴は新調すべき?
雪山“ハイキング”なら
靴はこれまでの登山靴を使うことができます。
ただし防水性能と少なくともミドルカット以上の高さがあること
が必要条件ですね。
なのでトレランシューズは結構きついです。
靴下は厚手のメリノウールのソックスが良いでしょう。
♠関連リンク♠
そしてアイゼン
アイゼンは種類が多く買うときにどれにしたらいいか迷う人も多いかと、、、
ゴリゴリの12本爪のアイゼンが万能かというとそれは違います。
雪のそれほど多くない低山雪山“ハイキング”の場合、このようなごついアイゼンだと歩くことができなくなってしまいます。天狗のゲタ履いて歩くようなモノです。
オススメは「モンベルの軽アイゼン」
出典:モンベルホームページ
これはカチリとすれば装着できるのがメリット。軽くてコンパクトなので場所も取りませんし、高くないですから持っておいても損はありません。
まぁ、ちょっと外れやすいところもありますが、性能としては雪山“ハイキング”なら充分です。
チェーンスパイクなどもあります。好きなアイテムでよいのですが、いわゆるアイゼンの部類のものは用意しておきましょう。
ピッケルは必要か?
低山雪山“ハイキング”ではピッケルは使うこともないと思います。
ポールの方が使いやすいと言う人も多いですし、本格的な雪山“登山”でもポールを使っている人がいます。
とりあえず両手フリーの状態でも困ることはないですね。手袋をしていれば問題ないので慌てて揃える必要はありませんね。
ポット・保温ボトル
最後にポット
ガスストーブ・バーナーを持っていっても「雪山でお湯を沸かす」のは結構厳しい(あった方が良いけど)時もあります。
特に天候が悪い時に素手で扱うと手がかじかんでしまっていて料理どころではなくなるでしょう。
そこでオススメなのが
サーモスから出ている「山専ボトル」もしくはモンベルの「こちらのボトル」です。
出典:amazon
出典:モンベルホームページ
普通の魔法瓶だと雪山の温度に対応しきれず水が冷めてしまうことが多々あります。
見た目カッコいいラーケンの安いボトルなどまるで役立たず、冷水になってしまいます。
山専ボトル等の雪山使用のものは絶対に用意したほうがいいです。
出発するときにあらかじめお湯を入れておけば熱湯はキープされます。お湯があれば食事できるモノも多いですからね。雪山で食べるカップラーメンは最高。体も温まります。
4.低山雪山“ハイキング” おすすめコースは「塔ノ岳」
オススメの雪山“ハイキング”ロケーションについてお話しします。
東京都内から出発するのであれば1番のオススメは丹沢・塔ノ岳
- 日帰りが可能
- 雪山シーズンは1月中旬から3月中旬(豪雪にはならない)
- 通年営業の山荘あり
- 平日でもルートに必ず合う人がいる
- ルートは南面が多く晴れの日は暖かい
など雪山入門の山としては最適でしょう。
コースルートを紹介すると
スタートはバス終点の大蔵。塔ノ岳に向かって南から伸びる大倉尾根を上って行きます。見ての通り単純。
これは丹沢の夏山でも人気ルートです。
週末はもちろん平日でも多くの人に会うことになるでしょう。かなりの降雪の翌日であっても朝1番乗りでもない限りトレースはついているし、標識もしっかりしています。
トイレもありますなので初心者にオススメのコースとして定番です。
大倉尾根は長いことで有名ですが、途中に山小屋もあるので良い目標にもなります。ペース配分には注意して登りましょう。山頂では素晴らしい展望が待っています。
- 参考コースタイムは合計7時間15分ほど(詳しくは地図をゲットして参照のこと)
- アクセスは小田急・小田原線渋沢駅から神奈川中央交通バスで15分です。大蔵で下車しましょう。
- マイカーでも大蔵へは行けます(駐車場あり)。
塔ノ岳のメリットの日帰りが可能ということは大きいですね。雪山“ハイキング”くらいの低山といえども山で宿泊を伴うとかなり難易度が上がってしまいます。
持ち物も多くなりますからね、やはり最初なら晴れた日の塔ノ岳の雪山を狙うのがベストでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は
「雪山初心者向け:本格的な雪山“登山”に挑戦する前に雪山“ハイキング”でレベルアップを!必要な装備とオススメの山(塔ノ岳)を紹介」
についてお伝えしました。
- 雪山の入門には低山雪山“ハイキング”が最適
- 低山雪山“ハイキング”の装備はレイヤリングが重要
- 低山雪山“ハイキング”の装備は夏山登山の装備が流用可能(コスパよし)
- ゲイター、ポットなどいくつかの防寒グッズを買い足すとパフォーマンス力アップ
- 低山雪山“ハイキング”に適した山は丹沢・塔ノ岳
雪山が夏山よりも難しいという事はありません。
雪山のイメージを少しスイッチしていきなり厳冬期のアルプス行かねばなどと考えずに、まずは普段登ってきた夏山の冬の姿を見てみることから始めましょう。
なるべく晴れた日にトレースのある人気の山に日帰りの身軽な格好で登るのがベスト、まずは大げさな装備はいりません。夏山装備に防寒着をプラスする思考でいきましょう。
雪山に行けば空気の透明度の高さに気づきます。山頂では白と青のコントラストの強さを再認識してください。