こんにちはおじさん少年です。
この記事では
「登山の事故防止!気をつけるべきは迷子と滑落」
についてお伝えします。
「登山で危険なこと?何かなぁ、、、」って気になる方
意外と多いかと思います。
漫画の「岳」とか見ていると大体“冬山で遭難”していますよね。
冬山で猛吹雪に見舞われ断崖絶壁から落ちるとか、何故かめちゃくちゃ悪天候が急に襲ってくる
こうした遭難事故って確かに冬山では起こり得るかもです。
けれども、夏の暑い時期に山に行くのに「そんなケースあるわけないよ」って考えてしまうのがフツー
あのようなヘリコプターを使ったような遭難事故っていうのはそんなに身近じゃないかもしれません。
でも、登山での事故って少なくはないんです。
多分私が思うに1番身近な事故の組み合わせが“迷子と滑落”
最も気を付けるべき厄介ごとでしょう。
“結構身近に起こりやすい”のであらかじめ危険予測しておいて、そうならないように努めていきましょう。
迷子と滑落の危険回避のためには
山の中では我々の日常的な感覚は通用しない
を心にとめることが大切
山岳事故防止に役立ててほしいと思います。
1.誰にでも起こりうる、、、:“登山での危ないこと” と言えば「 迷子+滑落」
私がどうして自分のこともままならないのに生意気にもこのような事故の啓発運動をしようと考えたかと言うと
実際にちょっと前を歩いていたおじさんがガラガラと落ちたのを目の当たりにした経験をしたからです。
転がりまくったオッサンの話
3000メートル級の高い山ではなくても奥多摩のような比較的低山でも滑落の事故と言うのは起こります。
私が団体で登山をしていた時、前から「ガラガラガラガラ、ドシャッツ!」とものすごい音がしました。
「何かなぁ?」と思ってしばらく立ち止まっていたんですが、どうやら一人のオッサンが転げ落ちたらしいのです。
オッサンは中高年の団体のメンバーで、仲間はざわざわとなっていますが、全員高齢のオッサンばかり。
「やだなー、やだなー、関わりたくねーなー」
私の中の稲川淳二が早口でまくしたてます、、、
ですが、ほっとくわけにもいかずまだ若くて身軽だった“私と先輩”は仕方ないので助けに行くことにしました。
不謹慎ながら、正直「相手がオッサンだったのであんまりテンション上がらなかった」のは嘘ではありません。
やはり自然の中では自分の怪我は自己責任
その時の心境としては「多分死んでしまったかもしれないなぁ、、、」と冷静に考えている自分がいました。
そして“私と先輩”の二人で「身も知らないオッサンの死体の頭と足を2人で持って運搬しなければいけないな」という事まで一瞬で考えていました。
オッサン達は皆高齢でとても人間1人を担いでいけるような人はメンバーの中になかったからです。
下に行ってみると幸いにも落ち葉等がクッションになって、オッサンは奇跡的に軽い打撲等で済みましたどうやら自分で歩けるようです。
“人騒がせなオッサン”でしたが、あのような轟音で転げ落ちるのを目の当たりにすると重力による位置エネルギーの凄まじさを痛感せざるを得ませんでした。
奥多摩の低山であったとしても、うっかり足を踏み間違えると数十メートル下まで転げ落ちてしまうことは十分起こることなのです。
第一に「気を引き締める」というか「他のことに気を取られないように」しましょう。
また、「体力が衰えてくると“転げ落ちるのに抵抗する体制を取る”のはかなり難しい」ということは肝に銘じておいた方がいいかもしれません。
迷子で滑落もよくある
友人が遭遇してしまったのですが「迷子になって滑落」という事故のパターンも身近で現実的な問題として聞いたことがあります。
つまるところこの迷子や滑落は結構誰にでも起こりうることなんです。
漫画や映画のような“大規模でドラマチックな事故”を想像しない方が良さそう。
もっと“小規模なことの方”が、うっかりすると「危険ゾーンに入り易い」と心に留めておくのがいいかもしれませんね。
2.まずは迷子にならないように、、、:迷子になりやすいパターン
迷子って子供のなるもんだと思いがちなんですけれども結構山の中では“大人も迷子”になってしまうことがあります。
「どんな状況で迷子になりやすいか」私なりに少しまとめてみました。
疲れすぎな上に濃霧、そして1人
よくある危険な状況
猛吹雪や猛烈な嵐よりもよく起こるのが濃霧
特に高度上がって夏の寒暖の差が激しいときには全く前が見えなくなってしまう
ある程度経験のある方なら遭遇済みだと思います。
実はこの濃霧、初めて直面すると結構焦ります。全く方向感覚がつかめない。
北斗の拳のカイオウが使った暗流天波のように方向感覚が麻痺してしまうという、、、
こんな時にめったやたらに動き回ったりすると“本当に迷子”になってしまうことがあります。
「濃霧は回復するまで待て」と言いたいところですが、そんな立ち止まってはいられない。
こんな時は目印のものを身近に見つけて一歩一歩確実に進んでいくことが大事です。
間違っても「登山道から外れない」ように、心配ならば他のハイカーを見つけてくっついていってしまうのも手です。
また、その時の体力も大きく影響してきます。あまりにも疲れきってしまうと正常な判断ができなくなるのは当たり前、少し休憩した方が正常な判断ができますよね。
めちゃくちゃ疲れた上で濃霧に巻かれるとあらぬ方向に行ってしまう確率はベテランの人でも高くなりますから要注意です。
登山道がナゾ? あせって迷うヘンな道に行く
“登山道”は、人が自然の中に作ってできたものですから完璧な舗装された道路とは訳が違います。
“やぶこぎ”等で頑張る人が、オリジナルの方向に登山道を作っていて正規ルートと見分けのつかないこともあります。
ヘンな登山道に入ってしまうと本当に迷ってしまいますから行き交う人をよく見て確認していきましょう。
人が来ない場合、「この登山道怪しいなぁ」と思ったら、“引き返す方向、拠点となる場所の目印”を確認しておくことが重要。
元の場所に戻ってくれば再スタートできますからね。
「ちゃんとした道を来た“つもり”なのに」ということもありますから「何かヘンな道だなぁ」と思ったら登山道を疑ってみるということも必要です。
まさかの方向に行く、、、:スーパー方行オンチ
うちの嫁さんがそうなんですが、“信じられないくらい方向オンチ”な人は失礼ながら存在します。
ぐるっと回されるとどこから来たのかわからなくなってしまう。
これは無礼を承知で言うと「目が悪い人に多い」かと思います。
遠くの目標で確認していない、というか風景の“奥行き”があんまり把握できてないとおそらく起こる現象です。
自分がスーパー方向オンチかどうかは周りの人に聞いてください。
登山では“ナビは基本使える”と言えば使えるのですが万能ではありません。登山道の奥行きを把握できていないと迷う原因となります。
もし自分がスーパー方向オンチならば「登山に行くな」とは絶対に言いませんが、必ず誰かと一緒に行くことをおすすめします。
それと一緒に行く人とはぐれないこと。
これは笑い話じゃないことなんですけれども
スーパー方向オンチな人で濃霧の中、他の仲間たちとはぐれてしまい、結果、考えられないような方向に進んで実際に遭難してしまった
というケースが友人の仲間内で起こった事があります。
こうしたことが起こらないようにするためには、自分がスーパー方向オンチかどうかというのは確認しておいた方がよかれと思います。
迷子にならないために
- カンペキに 1人にならないこと
- 元いた場所は把握しておくこと
ソロで登山に行く場合は仲間はいませんが、他のハイカーはきっといるはずです。
あまりにも人通りのないところで“カンペキに1人”になってしまうのは相当慣れていないと危険な行為一歩手前になってしまいます。
ライフラインはケータイ・スマホ:電池はゼロにしない.
「携帯があって助かった」ケースは多々ありますよね。
最後のライフラインとなる可能性ありますから、所持は当たり前。
スマホやケータイは“防水と電池切れ”に注意です。
3.落ちてもアンパンマンは来てくれない、、、:滑落しないこと
滑落
文字通り足を踏み外して転落してしまうことです。
問題は、
- 落箇所がわからないと見つけられない
- 落っこちた後に動けなくなってしまう
- 怪我をしているのに動いてもっと危険な場所に動いてしまう
そんな可能性があることでしょう。
3000メートル級の山には“落ちたら死ぬ”ところがたくさんあります。もちろんもっと低山にも。
上高地から入る観光色豊かで明るいアルプスの山々でも滑落事故は毎年後をたちません。
はっきり言って「毎年死んでます」
これは知っておくべきことでしょう。
「高齢の人たちでもできる登山だから若いうちは余裕だ」と考えている人は結構甘い。
滑落事故は私を含めどんな年齢の人にでも起こり得ることです。
ここは自己責任の世界ですから、「落ちたらマジで死ぬかも」ということは肝に銘じておきましょう。
いいところを見せようとしない、回り道もアリ
男子特有の気持ちだと思いますが
「ここを登れないとちょっと恥ずかしい」とか「ここは飛び降りれるぜ」というわけのわからない個人的な見栄
はいくつになってもあるはず。いやむしろオッサンになればなるほど強くなるかもです。
「良いところを見せよう」という心理は、“滑落の恐れ”からするとかなり危険な行為
時にはお尻をついてでも安全に降りたがいいです。
忍者ハットリくんのようにぴょんぴょん行かなくても時間的には問題ありません。
調子に乗らずに大人っぽい行動をしないと痛い目に遭うかもです。
夜の酔っ払いも危険
滑落の可能性として考えられるのは「テント泊の夜トイレ」
トイレに行く際にうっかり足を踏み外してしまうことです。
テント場に着いたら周りに“滑落するようなポイントは無いか”はよく確認しておきましょう。
テント場は山によっては常識では考えられないような場所に指定されてることもあります。
「ここから落ちたら死ぬでしょ!」と突っ込みたくなるような場所にテント張ることもありますから、暗くなっても大丈夫なようにトイレルートは明るいうちに見ておきましょう。
「酔っ払って足を踏み外して落ちて死んでしまった」という事態になったら“たこ八郎”も浮かばれません。
「山で飲み過ぎて記憶を失った」というどうでもいい武勇伝がある人は注意かも。
まとめ
いかがでしたか今回は
「登山の事故防止!気をつけるべきは迷子と滑落」
についてご紹介しました。
登山の危険回避には
- 迷子と滑落に気をつける
- 映画や漫画の遭難シーンばかりが危険事項ではない
- 高所での濃霧は迷子と滑落を誘発する
- ヘンな登山道もあるので「元いた場所」は常に把握
- 自分がスーパー方向オンチの疑いはないか確認
- みんな通る登山道にも「落ちたら死ぬところ」がある
“登山での事故”なんて考えたくないものですが、私たちの心理は漫画や映画の遭難シーンに影響されてしまっています。
実は「迷子や滑落」の方が身近に起こっている事故でしょう。まずこれらの事態を避けるために「こうしたことが起こり得るんだ」という認識を持ちたいですね。
登山は中高年まで幅広い年齢で行えるアクティビティーです。だからといってサッカーや野球よりも事故が身近である事は間違えありません。というのも自然は容赦ないですから。
「どんなところでどんなことが起きるのか」は自分自身で気をつけていかないといけませんね。