【個人ブログ】で発信中、“おじさん少年”です。
この記事では
「登山:イヤ~な“汗冷え”を防ぐには【ドライレイヤー】が効果大!“ファイントラック”と“ミレー”を比較!」
についてお伝えします。
登山の服装で基本となるのが“レイヤリング”
って「まぁ、別に“重ね着”の事でしょ?」
と言われればその通りです。
でも、実は「肌着の肌着」なるものが存在しています。これが「ドライレイヤー」のポジションです。
レイヤリングとは?
主に3つのレイヤー(層)で重ね着を考えることです。
「ベースレイヤー+ミドルレイヤー+アウター」が基本でベースレイヤーは肌に一番近いものの位置付け。
“ドライレイヤー”はベースレイヤーのそのまた下に着ることになります。一つ加わって4つのレイヤー(層)で重ね着となるわけです。
このドライレイヤー“ある”のと“ない”のとでは大違い。
山では夏でも吹きすさぶ風、悪天候になどによって一気に気温が下がることがあります。
そして、その時に気になるのが「汗冷え」
汗冷えした状態で「ベースレイヤーが濡れている」と、その上にいくら暖かいものを着込んでも
肌に直接触れているものがずっと濡れているので冷たい・寒い状態は緩和されません。
登山中にこうした状態にあるのは“非常にまずい”こと。
なぜなら誘発される“体温低下”は発熱や行動活力の減退を促し、最悪、遭難にもつながったりします。
標高の高い山に限らず低山でもこのようなことが起きるので、山の初級者の方々にも心得ておいて欲しい事項です。
ドライレイヤーの役割を知って、登山でのヤバい状態:“汗冷え”から体を守っていきましょう。
そもそもドライレイヤーってどんなもの?
“ドライレイヤー”は「ベースレイヤーとなるTシャツ類の下に着る」
まさに“肌着の肌着”なアイテムです。
私のドライレイヤーを導入のきっかけ
私がドライレイヤーを意識するに至った経緯を紹介します、まあくだらないことですが、、、
実は「“汗冷え”を回避しよう」とかそういうことではなく
Tシャツから“思わず透けてしまうビーチク対策”でした。
ある日ベースレイヤーであるTシャツ(タイトめ)をまとった私は、嫁さんに言われたんです。
「そのビーチク何とかならないの?見苦しいわ!!」と“ストⅡのベガが勝利したときのセリフ”のごとく指摘されました。
「Tシャツはタイトフィットの方が好きだしなあ、、、でも確かにこんなビーチク・ポチッと状態で行くのは恥ずかしいなぁ」
ベースレイヤーのTシャツが体にフィットするものだと結構目立ちますよね。
私含め、気にせず歩いているおじさんたち、女子からの視線にきついものがあったら再考すべきです。
「だったらTシャツの下に着るもの、でも“ランニング(死語)”はダサすぎるし、何かないかなぁ」
と思案した結果、ドライレイヤーと出会うことになりました。
最初はこんな感じだったんですが、ドライレイヤーを使うとその効果のほどに驚きます。
“汗冷え”がものすごく軽減されるのです。
これによって登山中の休憩時や悪天候で、気温が下がったときの“急な冷え”から身を守ることができるようになりました。
以来ドライレイヤーは欠かさず、それが低山ハイクであったとしていつも身に付けています。
ドライレイヤーのツートップ:“ミレー”と“ファイントラック”について
ドライレイヤーの既に登山界では浸透しているアイテムです。
人気商品は
- ミレー「ドライナミック・メッシュ」
- ファイントラック「スキンメッシュ」
この二つのブランドのドライレイヤーに集中していると言えるでしょう。
私、両ブランドのアイテム使ってます。
この2つの商品ですが、
“汗冷え回避=肌をドライに保つ”という働きは、両アイテムとも同じです。
効果はほぼ同じですが、
「肌表面の汗を吸い上げて、上に着たベースレイヤーに水分を移動させる、そして水分を肌に戻さない」ための原理
が異なります。
まあ、“持ち味の違い”は理解しておいた方が良さそうです(科学的な興味として)。
ミレー「ドライナミック・メッシュ」の原理
原理は“毛細管現象”と言う物理現象にあります。
毛細管現象とは繊維と繊維の極々小さい「すきま」を、液体が侵入していく現象です(植物が根から水や養分を土から吸って自分の体に行き渡させるのと同じ)。
ミレー「ドライナミック・メッシュ」はこの毛細管現象を使っているそうです。
ポリプロピレンという素材(全く水を吸わない)でできた細い糸の束に小さい「すきま」があり、毛細管現象により“体の表面の汗”が吸い取られ、上に着たベースレイヤーに逃してくれるという原理です。
そこそこ“厚み”があるのでベースレイヤーとの間に“空き”ができて通気性がいい、しかも全身アミアミのメッシュなので超絶空気の通りがいいので水分が蒸発しやすいというわけです。
ファイントラック「スキンメッシュ」の原理
ポリエステルという素材(水は吸う)に特殊な“撥水処理”と汗の濡れ戻りを低減する“編みの工夫”が加えられ汗が通過しやすく、濡れ戻りしにくい状況を作っているのだそうです。まあ、特許事項なので詳しくはこれ以上わかりませんが、
強みは撥水による「濡れ戻りの少なさ」かと、あと、めちゃめちゃ薄くて軽いです。
ミレーの方は疎水性(水を吸わない)の素材を使っておりファイントラックのほうは撥水性(水をはじく)の素材を使っているということに大きな違いがあります。
「ユニクロのエアリズム」じゃあダメなの?
ドライレイヤーはミレーとファイントラックをご紹介していますが、どちらも安くないです。
下着一つに結構な額を支払うことになります。
「じゃあ“ユニクロのエアリズム”でも同じように使えるんじゃないの?こっちは千円以下だよ。」
となるかもしれません。
出典:ユニクロオンラインストア
実は、エアリズムも毛細管現象を利用して体表の汗を上へと運ぶ原理を取っています。
つまりミレーのドライナミック的ですよね。
私実際に使ってみたんですが、
残念ながら「薄すぎて登山に耐えれるスペックではない」
が結論でした。
「着ないよりはマシ」ですが徐々に「これじゃ役不足じゃ!」と感じることになるでしょう。
やはりエアリズムは日常使いに焦点を置いているので仕方ないですね。
ドライレイヤーの真価を発揮するにはベースレイヤーが重要
ドライレイヤーは「ミレーとファイントラック」が主流でその原理は違うものの
“体の表面の汗を上のレイヤーに押し上げてくれる働き”は同じです。
となるとドライレイヤーの上に着る“ベースレイヤー”こいつがモノを言う。
これが速乾性のものでなければ“せっかくのドライレイヤー効果”が激減してしまうことになります。
単純に言えば上にドライレイヤーの上に着るTシャツは、「綿素材の普通のTシャツじゃダメですよ」と言うことです。
ミレーのドライナミックの紹介ページに
ドライナミックメッシュと、その上に重ね着するレイヤーは、体にフィットしたサイズを選ぶことが重要です。体にフィットさせることで、はじめて、ムラなく汗を吸い上げる効果が生まれます。
また、素材も吸水速乾のもの(ポーラテック® パワードライ素材や、メリノウール素材のウェアなど)を選択することが重要です。
ミレーホームページより引用
と書かれていますね。
私がお勧めするのはメリノウールのTシャツ
メリノウールは天然素材ですが、濡れたとしても保温性を失うこともなく天然のエアコンと言われるほど温度調節機能が備わっています。
おまけにメリノウールのTシャツはその上品な質感・フィット感・発色性
何よりも“汗で臭くならない”という抜群の防臭性能があります。
値段は高いですが、「“持ち物が限定される長期の登山”では“Tシャツの1点絞り”は欠かせない」もの
そんな時にメリノールのTシャツなら「Tシャツ臭くて死ぬわ!」の状況から解放してもらえます。
なので「ドライレイヤーの上に着るベースレイヤー」は個人的には断然メリノウール素材をオススメします。
速乾性のTシャツでもOKだがフィット感重視で
メリノウールのTシャツは1枚7000円程度とはっきりってめちゃ高です。
「そんなTシャツは買えないよ!」と言う人もいるでしょう。
もちろん速乾性のドライ素材のTシャツなら「ユニクロやGU」でもOKです。
これらの商品、確かに費用対効果がすごく高いです。
デザインもいけているものが多いのですが
「ユニクロのTシャツが他人とかぶったり、“ばれる”のが嫌だ」と言う人もいるかもしれません。
さらに「ベースレイヤーは体にフィットしていることが重要」ですから
“コンプレッション型のTシャツ”が向いています。
その中でも安くても機能面が充実したものを選びたい
と言う要望に応えてくれるのがワークウェア
「ワークマン」や「プロノ」にあるようなガチガテン系の人が使うアイテム類です。
ガテン系アイテムの中でもTシャツならばアウトドアとの相性もバッチリなので
ワークウェアをチョイスするのもオススメ。
近年はワークマンがあまりにも台頭してきているのでプロノはオススメですよ、かぶらない。
「ドライナミック」と「スキンメッシュ」どちらをとるか?
ここまでに
- ミレー「ドライナミック・メッシュ」
- ファイントラック「スキンメッシュ」
この二つのブランドのドライレイヤーを紹介してきました。
どちらも機能性が優れており、甲乙付け難い
「一体、どっちのがいいんじゃ?」
と思う方も多いでしょう。
予算の都合上、どちらかに絞らなければならない場合もあるかと思います。
私のオススメはズバリ、ファイントラックのスキンメッシュです。
その理由は
「登山だけでなく自転車通勤・海のアクティビティーと幅広く活用できるから」
ですね。
しかも関連アイテムのラインナップがたくさんあります。
もちろん“ミレー推しの人”も多いです。
ファイントラックにすべて軍配が上がるというわけではありません。
私の活用基準
- ミレー「ドライナミック・メッシュ」
- ファイントラック「スキンメッシュ」
を両方所持している私
使い分けはどのようにしているかというと
- 暑い時期の日帰り登山ではミレー
- 縦走など複数日にわたる登山ではファイントラック
を使い分けています。
ミレーのデメリットとして、
着心地が良い訳ではない
が挙げられます。
アミアミで吸湿性まるでなしの素材ポリプロピレンはずっと着ていたい素材ではありません。
プラスチック感ありますからね。下山後は即脱ぎたくなるので短期の登山向けとなるのです。
ファイントラック「スキンメッシュ」よりも汗の放出性能は上と感じますし、通気性も高いので蒸し暑い時期の短期登山に適していると思います。
また、あまりにもHG的なその風貌にはやがて慣れますが、
外国人のモデルのようにはなかなか映らないので、自分のぶよぶよ感が強調されてしまうのが悲しくなります。
お中元の高級ハムみたいになります。
ファイントラック「スキンメッシュ」は肌触りが良く、じんわり汗をかき続けてもサラリ感があるので“泊まりあり”で山に入る場合はこちらをもっていきます。
ただその薄さゆえに、めちゃくちゃ大量に汗をかくと汗の放出が追い付かず、ドライレイヤー上のベースレイヤーがびしょびしょになってしまうケースもあります。
私はそこまで汗かきではないので困った事は無いのですが、トレランなどでめちゃくちゃ汗をかく人はミレーの方が良い場合もあるでしょう(もしくはグレード上のパワーメッシュにする)。
ミレーに比べて作りが細かなファイントラックは皮脂や汚れによって機能の低下が著しくなってしまう場合もあります。
メンテはある程度気を使いった方が良いですね。
最近では自社での洗剤も販売するほど。
また売りの「撥水機能」を回復させるために“熱処理”をしてやるといいそうです。
この辺りはレインウェアの洗濯と同じですね。
♠関連リンク♠
私は面倒なので乾燥機くらいしかかけませんが、アイロンがけは効果的みたいです。
ドライレイヤー“ブリーフ”・“ボクサー”など下着パンツの注意点
私、ドライレイヤーはTシャツだけでなく“ブリーフ”・“ボクサー”などのアンダーも使ってます。
汗冷えは全身で生じるので下着パンツもドライレイヤーを導入した方がいいにこしたことはありません。
が、ひとつ、これからドライレイヤーを購入しようとしている男子に伝えたい。
「気をつけろ、オシッコ、染みるぞ」
ドライレイヤーは
“体の表面の水分を上に押し上げてくれる働き”
がありますから
“切れ”の悪くなった私含むおじさんたち
残尿のいたずらに注意しましょう。
はからずともドライレイヤーの素晴らしい働きをマジで実感してしまいます。
「あ、やべ」となった時
「手洗いの水だよこれは、オシッコじゃないよ」
と“手の水分を払い落とすふり”をして股間付近に水滴を振りかけても、、、
ごまかせません!
ドライレイヤーは容赦なく水分を上へ上へと運びますよ。
ジワッと広がっていると
「あのおじさん、間に合わなかったのかな?」
と悟られてしまいます。
おじさんの尊厳を守るためにできること
- サポートタイツを挟む
- シミがわからないブラックのズボンや短パンを選ぶ
後者の方が効果が高いですね。
オススメはpatagoniaのバギーズショーツ定番のブラック(サイズは大きめなのでⅠサイズ下がジャスト)です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は
「登山:イヤ~な“汗冷え”を防ぐには【ドライレイヤー】が効果大!“ファイントラック”と“ミレー”を比較!」
についてご紹介しました。
ドライレイヤーは
- “汗冷え”を大幅に軽減するのに役立つ
- ミレー「ドライナミック・メッシュ」とファイントラック「スキンメッシュ」の二つが主流
- 両者は、効果は同様だが原理が少し異なる
- ドライレイヤーの上に着るベースレイヤーはメリノウールや速乾素材のTシャツでないと効果的でない
- 個人的には活用範囲の広いファイントラックがオススメ
- ドライレイヤーの下着パンツの威力には注意
一昔前はレイヤリングは3層ですが、ドライレイヤーはもはやかかせませんね。
洗ってもすぐに乾くしヘビロテ定番アイテムです。
“汗冷え”は極限状態では最も身近で危険なもの
これから登山を始める方々も“汗冷え”でヤバい状況に追い込まれた
などと言うことのないように。
ドライレイヤーは上級者向けアイテムではありません。
初級者の人たちもドライレイヤーを使って汗冷えを未然に回避しましょう。