こんにちは“おじさん少年”です。
前回、エルカラファテのプチ観光名所であるニメス湖を訪れ、のんびりとした風景に心を洗われる体験をしました。今回からは、エルカラファテに到着した際に予約した現地ツアーであるビッグアイス(氷河ツアー)観光へと出発します。
⭐パタゴニア旅行記 【その34】
ニメス湖散策から一夜明け、今日はカラファテに到着した際に予約した氷河ツアー“ビッグアイス”へと出発します。
エルカラファテからのワンデー現地ツアーとしてはおそらく人気ナンバー1でしょう。
テレビでよく見る壮大な氷河に直接降りることができるというエキサイティングな体験ができます。これは外せません。
出発時間は大目に見ましょう
早朝ゲストハウスを出発し、“お迎えバス”のピックアップポイントへと向かいます(ゲストハウス前ですが)。
しかし、バスはなかなか来ません。私の中の“焦りゲージ”が一気に高まります。
というのも、私は昔、オーストラリアで空港行きのシャトルバスをすっぽかされたというトラウマ持ち(結局タクシーを英語が達者なおねえさんに呼んでもらった)なので、アルゼンチーナも同じ気質だったら、と国民性をすぐに疑う悪い癖がついてしまっているのです。が、大丈夫だったようで、遅れながらもバスは回ってきました。
概して、観光で潤うパタゴニアでは、客をすっぽかすなどという“超いい加減”な対応はありませんでした。しかしピーク時は混むので多少の時間差は許容範囲としましょう。
エルカラファテからロスグラシアレス国立公園へ
ピックアップバスは各ホテルで参加者を拾いつつカラファテの街を巡ります。それから、参加者は大きなバスに乗り換えロスグラシアレス国立公園へと向かいます。位置関係はこんな感じです。左下がペリトモレノ氷河で右上がエルカラファテの街です。
ロスグラシアレス国立公園内の一番の見所がペリトモレノ氷河です。
バスの中では
ロスグラシアレス国立公園までの所要時間は2時間ほど、その間バスの中では現地ネイチャーガイドがなにやら説明してくれます。
もちろん英語でも説明してくれますが、はっきり言ってよくわからないのでボケーっとしてるのですが、とりあえず聞いているフリをしたほうが無難だと思います。
私は学生時代にオーストラリアのエアーズロックの現地ツアーに参加したのですが、ネイチャーガイドの説明がよくわからないので近くにいた同世代の日本人と一緒にワイワイしてしまったのです。
そうしたら、すさまじい剣幕で外人のじーさんが詰め寄り「シャラップ!!!ペペペ!」と罵声を浴びせられました。
悪いのは我々なのですが、本場英語の罵りに叩きのめされ、「マジでシャラップって言われちまうとは、、、」というショックを味わったため、その場の空気が非常に悪くなったという思い出があります。
ですから、こういった時におとなしくしていないと「どっかのおっかねえじーさんにまた叱られちまうのではないか」とまたも過去のトラウマが疼くのでした。
バスの中では、ガイドの説明に多くの人が、必要以上に大きなリアクションをとります。
「そんなに?大袈裟じゃね?」と内心思いながら、私は冷静に横目でそれを見ます。
観察していると、どうもこのオーバーリアクションは最初のうちは爆発的なのですが、結構すぐに沈静化するみたいです。
ロスグラシアレス国立公園に入る前に入場料を払おう
巨大な氷河がありそうな雰囲気は感じられませんでしたが、バスはひた走りロスグラシアレス国立公園へと近づいてきました。ロスグラシアレス公園のエントランスで入園料500ペソほど払わされます(当時)。
記憶の中では前もってこの現金を用意しておくべきだったと思います。
この入園料は年々値上がり傾向らしく変動するので、現地でいくらか確認したのち現金を用意したほうが良さそうです。
そこに氷河はそびえていた
バスから降りるとまずはペリトモレノ氷河の観測台へ。木道やカフェが整備されていて歩いて回ることができます。ザ・氷河、テレビで見た氷河がそこにはありました。
この大きさ、キグナス氷河でもこのペリトモレノ氷河を砕こうとは思わないでしょう。いわゆる一生に一度は見ておきたい光景です。
こんな時、一人だと自分を入れた写真が撮れないのでスんとしていたら、一人の日本人が声をかけてくれました。
私としては実に珍しい機会、何年ぶりでしょうか、交流を持ってもらえるとは。
互いに写真を撮り、バスも隣りにしてもらいました。はっきりいってこういう場所で意思の疎通ができるのはありがたいです。前にも書きましたが、私は海外で日本語意思疎通ウェルカムです。
旅慣れた若者にお友達になってもらった
彼の名はミヤジくん。私より若い旅慣れた人でした。ブエノスアイレスに戻った際はパラグアイまで足を伸ばすとか、いろいろ想定してやってきているみたいでした。
旅には慣れているけどアウトドアにはそれほど入れ込んでいるわけではないらしく、トレッキングも経験が浅い模様。
「いやー、ツアーで一人きりだとちょっと心もとないんですよね」私がウザがられない程度の親近感を持ってもらおうと話しかけていると、氷河からの冷たい風が我々を煽り(あおり)ました。
ミヤジくんは、バッと彼のマウンテンジャケットの襟を立てました。その時、彼は一応アウトドア慣れした私にふと尋ねました「なんかこのジャケット本物なんですかね?ネットで買ったら中国から送られてきて、、」
そのノースフェイスのロゴをあしらったジャケットを見て、私は何も言えませんでした。
見てすぐ
「だってロゴが家庭用ミシンで縫ったように繋がっとるやんけ、疑いのないほどにパチやー」
と気づいてしまったのです。
しかしわざわざ地球の裏側で親切にも私の写真を進んで撮ってくれた彼をがっかりさせたくありませんでした。
なので、「さぁー」と卓球少女ばりにしらばっくれを打ち返し、お茶を濁すのでした。
さて、一期一会とはいえ意思疎通できる頼もしい仲間を得て私は、氷河の上へと降り立つべく進みます。次回は氷河トレッキング始まります。