【個人ブログ】で発信中“おじさん少年”です。
この記事では
「インサレーションとは?【登山初心者向け】のインサレーションの選び方」
についてお伝えします。
“インサレーション”というワード
あまり聞き慣れない言葉ですよね。
簡単に言ってしまうと
「登山の服装を重ね着する中で“保温”の役割をする」
のがインサレーションです。
つまり、“中間着(ミドルレイヤー)”にあたるもので
具体的には“ダウンジャケット”や“フリース”といったものがおなじみかと思います。
実はこの“インサレーション”
詰め物である「フワフワ=中綿」
となる素材が多種多様で
ただのダウンだけではなく
“撥水ダウン”や“濡れに強い化学繊維(化繊)”素材の登場
など日進月歩が激しいアイテムなんです。
でも昔から“ダウンもどき(中綿はポリエステル繊維なので激安)”のダウンジャケットがあったように
「見た目ほとんど同じやん!何が違うの?」
となってしまいがち。
そうなるとどんなものを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。
初心者の方も登山の力が向上していくと
「だんだんユニクロのウルトラライトダウンでは物足りなさを感じてしまう」
ことでしょう(ダウンは水濡れに弱い)。
インサレーションは登山を始めとしたアウトドア活動全般で
“代えがきかない相棒となるもの”
「相性が合わない奴は相棒にしたくない」
だから
“見極める選択眼”を養って欲しいのです!
そこで本格的“インサレーション”をゲットするために
ちょっとここで予習していってくださいね。
“インサレーション”とは
インサレーションとは、中綿の入った保温ウェアのことです。
インナー < インサレーション < アウターシェル
のように重ね着することでインナーとアウターの間に暖かい空気の層を作り保温する効果を発揮します。
身近なインサレーションはやはり「ユニクロのウルトラライトダウン」ですね。
日常的にはアウターも兼ねて使っている場合も多いかと思いますが、
登山では中間着として着ることが多いですね。
中綿の種類は
- 天然素材のダウン
- 化学繊維素材
の2種類
どちらもメリット・デメリットがありますから登山初心者にとっては悩みどころでもあります。
“インサレーション”登山ではどうやって使う?
そもそも「保温すること」がインサレーションの役割だったので
「登山の歩行中=行動している時」よりも休憩時に
「体を冷やさないため」
に用いることが多いのがインサレーションです。
頂上に到着した時に取り出して
バッと羽織る → 飯でも食うか
基本的にこんな感じで使うことが多いですね。
防風してくれるアウターシェルは
「着た瞬間から暖かい」ことはありませんから、
フワフワの中綿の入ったインサレーションは欠かせません。
登山しているとこんな状況ありませんか?
「歩いていればどうせ暑くなるから」
と考えて薄着で歩いていたら
思ったより気温が低いままで
- 全然体が温まらなかったり
- 強風で体温を奪われて体が冷え込んでしまったり
登山をしていると行動中でも
気温や運動量によって違ってくる体温や発汗をコントロールする
必要があります。
特に寒い時期、夏の高山で天候が不安定な場合はこのニーズは大きい
そんな難しい立ち位置に
高性能のインサレーションは応えてくれます!
行動中でも休憩中でもなるべく体温を一定に維持してくれる
最近のインサレーションは
保温だけでなく
行動中の“体温維持”のためにも欠かせない存在となっています。
インサレーションの中綿素材を知ろう
インサレーションの中綿素材は
- 天然素材のダウン
- 化学繊維素材
の2種類があります。
“保温のことだけ”を考えれば
ダウンの方が持っている物を流用しやすいですし
「まあ、ウルトラライトダウンあれば大丈夫だよ」
と一言で済ませられそうなのですが、
登山のレベルが上がるにつれ
ウルトラライトダウンでは対処しずらい状況
に出くわすことが出てくるでしょう。
インサレーションを選ぶときに“合わせて”考えるべき要素について
インサレーションの選択に関する重要項目はいくつかあって
保温性、重量、使用時の天候状況、運動量がどれくらいか
加えて
収納するときのコンパクト性、濡れたときの機能性、激しい運動中の通気性
など結構多いです。
「安くない」ですからベストチョイスをするには「熟考しなきゃ」なんです。
ここでは“インサレーションの中綿素材”をご紹介するとともに“こうした要素”についても言及していきましょう。
•その1:ダウン
- 保温性・・・信頼の暖かさ。やっぱりダウンは暖かい。
- 重量・・・軽量でコンパクト。薄手のダウンなら小さくなる上に軽量なので携帯性も抜群。
- 天候・・・水濡れが大弱点。乾燥した状況でないと真価を発揮できない。
- 運動量・・・休憩など静止時の保温には向くが、濡れに弱いので汗をかく行動中は不向き。
出典:パタゴニア・オンラインショップ
決定的なのは保温性の高さとコンパクトさでしょう。
濡れる可能性が少ない場合は、ダウンがベスト。
アイテム数が豊富でブランドにこだわらなければ安価なものもチョイスできます。
保温性を高めたければ厚手のものを選ぶなど選択肢多数なのも魅力。
濡れの弱さを克服した撥水ダウンを採用したジャケットもあります。
•その2:化纖
- 保温性・・・プリマロフト、プルマフィル、ファインポリゴンなど最新テクノロジーでダウン並みの暖かさを提供してくれる。数字の上ではダウンに負けない保温性。
- 重量・・・高価なものは軽量だが化繊独特の“張り”があるのでダウンのように超コンパクトに圧縮とまではいかない。
- 天候・・・水濡れにも強く保温性を失わないので悪天候が考えられる場合は最も心強い防寒具。
- 運動量・・・濡れには強いので汗をかいても大丈夫だが、伸縮性(ストレッチ性)がないので動きやすさはない。
出典:パタゴニア・オンラインショップ
化繊のインサレーションは濡れても保温しつづけるため、 雨や雪が降る可能性のある場合は頼もしい存在です。
ただし専門性が高いのでアウトドアブランドの中でもブランドによって“推している”ポイントが違い「正直、使ってみないとどれがいいのかわからん」状態になってしまいます。
また、着心地がダウンとは違うので専門店で試着必須です。
•その3:アクティブ化繊(筆者イチオシ)
- 保温性・・・化繊を使っていても保温性と通気性のバランスを考えて作られている。休憩時にはしっかり体を保温してくれる。
- 重量・・・ダウンのように軽量とはいかず手のひらサイズまでコンパクトにはできない。そのままだと結構かさばるのでスタッフバッグ(収納袋)を使ってシュラフのようにまとめる。
- 天候・・・表面撥水性もあり水濡れにも強い。悪天候にも対応できる。
- 運動量・・・保温性と通気性を両立しているので「ずっと着ている」ことが可能。伸縮性があり着たままでも激しい運動に対応できる。
出典:パタゴニア・オンラインショップ
低い気温のもと、激しい運動や悪天候に対応しながら体温維持に貢献してくれます。
通気性と伸縮性があるので「着心地が抜群に良い」のがポイント。
私がイチ押しする理由は
次に述べる“表地の重要性”をクリアしているからです。
“インサレーション”は中綿だけではない「表地」に注目せよ!
インサレーションは見た目の違いが少ないだけに“中綿素材の違い”が選択のカギ
ということは伝わったかと思います。
確かに中綿素材が注目されることは多いんです。
例えばダウンの保温力を示す「フィルパワー」
スカウターの戦闘力のように「大きければ暖かい」なのは間違い無いのですが、
実は
着心地=快適性能を左右するのが、「表地」なんです。
これは見落としがち
かなり重要なポイントです。
いくらフィルパワー的な数値が高くても所詮は“着るもの”
着心地が悪ければ出番が減ってしまうんです。
同じ素材の中綿を使っていても表地が違えばウェアの性格はガラッと変わります。
わかりやすいのが
- 表面生地を薄くすれば軽くなる
ということ
それ以外にも
- 着心地のしなやかさ
- 収納するときのコンパクト性能
これらも表地の種類によって大きく変わってきます。
何しろウェアの総重量に占める“中綿の重量”はかなり小さい(ダウンは文字通り羽のように軽い)ので空気みたいなもんです。
つまりはインサレーションの性能は「中綿と表地のコンビネーション」で大きく決まるというわけ。
中綿に何が詰めてあるかだけでなく、この「表地」にも着目すればインサレーションの真の性能が見えてくるわけです。
私の表地ストーリー
スキーウェアが至高の防寒具であるとアホな考えをしていた学生時代
ストリートウェアでダウンブームが起きます。
「ファーストダウン」や「Bear」といったカジュアルファッション・ブランドからダウンジャケットが広く出回りました。
「ズングリしてしまうけどメチャクチャあったかい」
私にとってダウンジャケットは最高の防寒具となったのです。
そしてユニクロがウルトラライトダウンを販売してダウンの世間への浸透は加速しました。
私は“山用のコンパクトだけどフィルパワーの高い高級ダウン”をゲットし、アウトドアでもダウンは欠かせないアイテムとなっています。
ただ、濡れに弱いことは置いておいて一つ気になるところがあったんです。
「ダウンジャケットの表地のナイロンってツルツルしていて、
持った時、着用した時、それらの瞬間冷たい」
ということです。
要は「あのナイロンのツルツル表地が無機質で暖かく無い」と感じてしまうのですよ。
本記事ではインサレーションとして取り上げていない「フリース」
まあ、フリースは“かさばり度合いと重量面”から私は使ってないのですが
フリースがダウンより優位性があるとすればここ
「表面がツルツルしていない、モフモフである」
ことだと思います。
「防寒具と言えばダウンジャケットだよ。軽いし。」
確かにそうなんですが、
なんかあの素肌にまとうと
- ヒヤリとする表面のツルツル感、
- ダウンを封入しているので激しい動きに対応できるかどうかの不安
これらが「何とかならんかなー」と考え始めたのでした。
そんな時にパタゴニアのナノエアに出会います。
パタゴニアのナノエア:私が考える現時点での最高のインサレーション
私がインサレーションを強く意識したのは
チリ・アルゼンチンのパタゴニア(ブランドの方ではありません)へのトレッキングを計画した時です。
南米という地球の裏側
さも厳しい気象条件を考えていました(実際は日本の山とそんなに変わらない)。
とにかく
「雨に濡れても体温を奪われない、天候に左右されない汎用性の高い防寒具が欲しい」
と思った矢先
ブランドの方のパタゴニアから
“ナノエア”なる商品が発売されているのを知りました。
「パタゴニア行くし、パタゴニアのウェア着てみよ」最初はその程度で探し始めました。
このナノエアは上記のカテゴリでいうと
「アクティブ化繊」に分類されるアイテムです。
雑誌等のレビューでは
「とにかくナノエア素晴らしい」とか
アウトドアアイテムで「今年のベストアイテムで大賞を取った」とか
評価の高さはわかっていたんですが
でも
見た目
「パタゴニアのシャレた“はんてん”ですか?」
くらい。
確かに「インサレーションは見た目で違いはわからない」と言われるわけです。
「何でこれがそんなにいいの?」
一言でまとめると
「表地と中綿の性能が素晴らしく両立している」
ということです。
「中綿と表地のコンビネーション」
が「翼と岬」並みにゴールデン
まず
表地が“伸縮性のある柔らか生地”なので
- ヒヤリがない優しさ
- 運動しても窮屈さが全然なくてラク
- 地肌と接触する首元フードまで柔らかい
中綿は化繊なので小さくは圧縮できませんが
- 着た瞬間から暖かく体温維持機能は抜群
- ダウンほどデリケートで無いので洗いやすい
- 通気性もあるので水や汗に強い
- 通気性のあるおかげで“着たまま寝る”が快適
つまり「脱ぐヒマがないほど着ていられる」のです。
広告文句に「ずっと着たままで」と言っていた意味がこれでもかというくらい体感できました。
あまりの使い勝手の良さに
部屋でも日常のルーティーンで着ない日はない
のが実情です。
私はパタゴニア トレッキングでフードなしのジャケットを買い
その後
フードありタイプ(フーディ)を
夫婦でおそろで買いました。
トータルすると10万くらいをナノエアに費やしたのですが、
「元はとった!」と断言できます。
デメリットをあげるとすれば
- 見た目から想像できないくらい高い
- 決して「かっこいい」とは言えない
ですかね。
でもインサレーションの役割を考えればこれが理想形状なんでしょう。
パタゴニア:ナノエア現在のラインナップ
ナノエア
- ジャケット
- フーディ
これらは毎年発売される定番品
出典:パタゴニア・オンラインショップ
そのほか
ナノエア・ライト(薄手)やナノエア・ハイブリッド
ジャケットやフーディの他
ベストやパンツもありました。
出典:パタゴニア・オンラインショップ
年によって出るアイテムも違ってくるし、バージョンアップもされていくので
「思い立った時が買い時」でしょう。
私のオススメは
「まずはフーディ」です。
あくまでもフードは本格仕様ですから飾りじゃないですよ。雪山でも使えます。
パンツは嫁さんが欲しがっていたのですが、今のところ見送っています。
値段が高いので
- アウトレットで見つける
- オンラインショップのセール品を見つける
- trekkinnなどの個人輸サイトで安く買う
などの方法で格安品をゲットできるかもしれません。
そしてもう一つオススメは
パタゴニア は「シーズンオフの型落ち品でも店舗に取り寄せができる」ので
思い切って「前シーズンので安くなっているの残っていませんか?」とパタゴニア ショップ(直営店)の店員さんに聞いてみましょう。
彼ら彼女らは生粋のアウトドア人ばかりなのであれば探してくれます。
そして「営利の目的意識がいい意味で薄い」
快く応じてくれますので聞いてみましょう。
まとめ
今回は
「インサレーションとは?【登山初心者向け】のインサレーションの選び方」
についてご紹介しました。
インサレーションとは
- 重ね着するときに保温の役割を果たす中間着
- 保温だけでなく行動中の体温維持にも欠かせない
- 中綿素材は“ダウン”と“化繊”と“アクティブ化繊”がある
- 中綿素材の選び方が難しい
- 中綿素材だけでなく「表地」も合わせて考えるのが重要
- 表地は着心地に大きく影響する
- イチオシはアクティブ化繊を使用したパタゴニア のナノエア・フーディ
化繊と聞くと
“ダウンもどき”の悪しきイメージが先行してしまう年頃だったのですが、パタゴニアのナノエアを知ってから
「化繊ってすげー」
に変わりました。
登山を始めとしたアウトドア活動ではどうしても“雨による水濡れ”に対抗しなければなりません。
もし手持ちにダウンがあるのだったら登山用インサレーションを考えるときに化繊を使ったアイテムも選択肢に入れておくのも良いかと思います。
様々な天候に対応する体温維持のための決定的インサレーションになってくれますよ。